デジタルカメラやスマートフォンで撮影した写真が、時々「赤っぽい」「青っぽい」「緑っぽい」と感じることがあります。
これは、撮影した環境の光源が持つ色の影響を受けてしまうためです。
この色の偏りを補正し、被写体本来の色を再現するために行う処理が ホワイトバランス です。
ホワイトバランスは単なる色補正ではなく、イメージセンサーの構造や光学フィルターの特性とも深く関係しています。
ここでは、その仕組みを分かりやすく整理して説明します。
ホワイトバランスとは
ホワイトバランスとは、画像中のニュートラルグレー(無彩色)の領域において、RGB の信号レベルを同じ値に揃える処理のことです。
この調整によって、光源の色味に左右されず、自然な色再現が可能になります。
RGB = (同じ値, 同じ値, 同じ値) → 無彩色
例: (128,128,128) など
ホワイトバランス実際の処理
ホワイトバランス処理では、一般的に 緑の感度が最も高く、青が最も低い というセンサー特性を踏まえて、
緑を基準 に赤と青の信号にゲイン(増幅)をかけて調整します。
〇ホワイトバランス補正のイメージ

この処理によって、光源の色味に左右されず、ニュートラルな色再現が可能になります。
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光源と色温度の関係

- 色温度が低い光源:ロウソクなど → 赤みが強い
- 色温度が高い光源:曇天や薄暮 → 青みが強い
- 特殊な光源:水銀灯 → 緑が強い
- カメラの基準:快晴の約 5000K
イメージセンサーとホワイトバランスの関係
〇カラーフィルターと感度
イメージセンサーは、受光した光をデジタル信号に変換する際、各画素に配置された カラーフィルター を通して色を分離します。
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〇カラーフィルターのイメージ
┌───────┬───────┬───────┐
│ R │ G │ B │ ← 各画素に色フィルター
└───────┴───────┴───────┘
しかし、フィルターは不要な波長をカットするため光のロスが発生します。
また、色ごとに透過性能が異なり、一般的に 青が最も透過率が低く、感度も低い です。
〇IR・UVカットフィルターの影響
イメージセンサーの表面には、赤外線(IR)や紫外線(UV)を除去するフィルターが設置されています。
〇IR・UVカットフィルターのイメージ

このフィルターは可視光のみを通すことでノイズを減らしますが、
赤や青の一部の波長もカットしてしまうため、
- 赤の感度低下
- 青の感度低下
- 色再現性の変化
といった影響も生じます。
メーカーごとにフィルター特性が異なり、
- 急峻に特定波長をカットするタイプ
- 緩やかに透過率を落とすタイプ
など、設計思想が反映されています。

まとめ
ホワイトバランスは、単なる色味の調整ではなく、イメージセンサーの構造や光学フィルターの特性と密接に関係した高度な画像処理技術です。
光源の色温度やフィルターの透過特性によって、センサーが受け取るRGB信号には偏りが生じますが、ホワイトバランス処理を通じてそれを補正することで、被写体本来の色を忠実に再現することが可能になります。
この仕組みを理解することで、撮影環境に応じた適切なホワイトバランス設定ができるようになり、より自然で美しい写真表現につながります。
画像編集ツールでも補正可能な内容ですので、興味がある方はお試しください
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