RAW画像とは、イメージセンサーから出力された”生のデータ”っていう風によく説明されていますが、実際はいくつかの信号処理を行っています。今回は、その信号処理について紹介します。
CMOSなどのイメージセンサーからべイヤー配列の画素データが出力されますが、RAW画像作成までにイメージセンサー1つ1つ個別の特性などに合わせて各種補正を行います。代表的なものを記載しますが、チップベンダー毎に補正の種類は異なります。
また、RAWデータは一般的にJPEGなどの画像データと比べビット深度が大きく、細かいデータを保有している為、各種補正を行う上で多くの処理資源を必要とします。(ハードで補正するなら回路規模は大きくなりますし、ソフトで補正するなら処理量も多くなります)各ベンダーによってフォーマットは様々ですが、RAWデータは、12~14bitを扱うことが多いのではないかと思います。
各種補正
- キズ補正
- OBクランプ
- レンズのシェーディング補正
- 線形性の補正
- ノイズリダクション
キズ補正
イメージセンサーには必ず欠陥画素が存在します。それが白く見えたり、黒くみえたり様々ですが、この欠陥画素をキズなどと呼ばれています。キズのレベルが酷いものは、周囲の画素情報から欠陥画素を補完して補正を行います。これをキズ補正と呼びます。

OBクランプ
OBクランプとは、イメージセンサーの遮光された画素を黒レベルとみなし有効画素の黒レベルを決定するものです。OB=OpticalBlackは基準となる黒レベルで、黒レベルといっても実際は0ではなくノイズ等により若干の値となります。OpticalBlackの値で黒レベルを決める事でノイズの低減や画素間のばらつきを低減させることができます。

レンズのシェーディング補正
シェーディングとは、イメージセンサーの平面の信号レベルばらつきの事を指し、例えば左下側だけが若干信号レベルが高く明るくなりやすいセンサーは、左下側を少し補正して平面全体で信号レベルが合うように補正します。

線形性の補正
イメージセンサーは特定の輝度レベルのみ信号レベルが高かったり低かったりするものが存在します。光信号の入出力がリニアに変化するように信号レベルを補正します。

ノイズリダクション
ノイズリダクションは各チップベンダー毎に様々ですが、一般的には出来るだけ早い段階でノイズを除去していた方が、後段の画像処理でゲインをかかる為、ゲイン成分が増幅されずきれいな画像となります。

今回はRAW画像について触れてみましたが、いかがでしたでしょうか。

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